
免許取ってバイクもヘルメットも買った!
よし!走りに行くぞ!

ちょっとまって!
そのヘルメット本当に安全?法律的にも大丈夫?
装飾用とか書いてない?

・・・え??
バイクの免許は排気量別に分かれてるけどヘルメットも排気量別になってるのかな?
欲しいヘルメットが装飾用ってかいてあるけど大丈夫かな?法律的にはどうなの?
この記事ではヘルメットに関する法律と関連する規格が分かります。
このヘルメット大丈夫かな?と思い、警察にびくびくしながらバイクに乗ることは嫌ですし、なによりヘルメットは自分の命を守る大切な装備です。
特にタンデムするときは大切な人にヘルメットを貸すこともあるでしょう。
この記事を読むとルメットに関する法律とその規格を理解して、安全なヘルメットを選べるようになります。
※この記事は2020/4/18時点のものです。
【結論】PSCマークとSGマークが付いてるヘルメットを選べば安心

国内でヘルメットを販売・販売目的で陳列するためにはPSCマークの取得が義務付けられてます。
PSCマークとは消費生活用製品安全法によって製品に付けられるマークで、製品(ヘルメット)が安全基準に達していることを示します。
SGマークはSafety Goodsの略で(財)製品安全協会が認定した製品に付けられます。
民間の認定マークなのでSGマークが無くても法的には問題ありませんが、ほとんどのヘルメットでPSCマークとSGマークはセットでついてます。
SGマーク付き製品の欠陥により、人身損害が生じたと認められる場合、事故原因、被害の程度などに応じて、賠償措置が実施されます。
被害者1人当たりの賠償額の最高限度額は1億円です。
法律と賠償金の観点からPSCマークとSGマークの2点があればヘルメットは安心です。
法律が認めるヘルメットってどんな物?PSCマークとは?

ヘルメットの着用は法律で義務付けられてますが、そもそも法律が認めるヘルメットとはどんな物でしょうか?
そして安全基準に達していることを示すPSCマークとはどんなマークでしょうか?
詳しく解説します。

ヘルメットは道路交通法第71条でかぶることが義務付けられてます。
実際に条文を見てみましょう。
第七十一条の四 大型自動二輪車又は普通自動二輪車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転し、又は乗車用ヘルメットをかぶらない者を乗車させて大型自動二輪車若しくは普通自動二輪車を運転してはならない。
2 原動機付自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶらないで原動機付自転車を運転してはならない。
引用:道路交通法| https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#654

簡単に言うと、バイクに乗るときはヘルメットをかぶりましょう。二人乗りするときは二人ともヘルメットをかぶりましょう。ということね。

よく読むと『乗車用ヘルメット』って書いてあるけど、ヘルメットならなんでもいいわけではないのかな?

良い質問ね。さっきの道路交通法には続きがあるの。見てみましょう。
7 第一項及び第二項の乗車用ヘルメットの基準は、内閣府令で定める。
道路交通法| https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335AC0000000105#654

『乗車用ヘルメットの基準は、内閣府令で定める。』と書いてあるわね。
ここで言う内閣府令とは、道路交通法施行規則のことなの。
ここに『乗車用ヘルメット』(バイクで使えるヘルメット)とはこういうものですよ。と書いてあるからみてみましょう。
(乗車用ヘルメット)
第九条の五 法第七十一条の四第一項及び第二項の乗車用ヘルメットの基準は、次の各号に定めるとおりとする。
一 左右、上下の視野が十分とれること。
二 風圧によりひさしが垂れて視野を妨げることのない構造であること。
三 著しく聴力を損ねない構造であること。
四 衝撃吸収性があり、かつ、帽体が耐貫通性を有すること。
五 衝撃により容易に脱げないように固定できるあごひもを有すること。
六 重量が二キログラム以下であること。
七 人体を傷つけるおそれがある構造でないこと。
引用:道路交通法施行規則| https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335M50000002060#248

具体的に数字で書かれているのは『重量が二キログラム以下であること。』だけだね。これだと他の項目は見る人のによってOKだったりNGだったりするかも!?

そうね。それだと困るわね。
実はヘルメットは消費生活用製品安全法の特定製品に選ばれてるの。
ヘルメットは命に係わる大切な装備だから、この法律で製造・販売を規制しているの。

へー。そうなんだぁ。

そう。そして、消費生活用製品安全法には『PSCマーク制度』というのがあって、このマークが付いてるヘルメットは省令でさだめた技術上の基準に適合してることを表すの。だから、ヘルメットを選ぶときは、『PSCマーク』が付いてれば法律的にも安心ね。

じゃあ、反対にPSCマークがないヘルメットは技術上の基準に適合しているか検査されていない可能性があるということだね。

そうなの。国内ではPSCマークがない乗車用ヘルメットを販売や販売の目的で陳列することが禁止されてるわ。
2.特定製品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、製品ごとに省令で定めた技術上の基準(法第3条)に適合していることを示す表示(PS(Product Safety=製品安全)C(Consumer=消費者)マーク)を付したものでなければ、これらを販売又は販売の目的で陳列することができません(法第4条第1項)。
引用:経済産業省 消費生活用製品安全法の概要 | https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/shouan/act_outline.html

実際にPSCマークを見てみましょう。
PSCマークには『特別特定製品』と『特別特定製品以外の特定製品』(乗車用ヘルメットはこちらに該当)の二種類あるわ。前者は後者のより厳しいものと思ってもらえばいいわ。

消費生活用製品安全法の概要

インターネットなどを見るとPSCマークがないヘルメットがあるよ。
これって買って使って大丈夫なの?

PSCマークがないヘルメットは『装飾用ヘルメット』などとよく書かれているわ。あくまで『乗車用ヘルメット』ではないことを示しているのね。国内ではPSCマークがない乗車用ヘルメットを販売や販売の目的で陳列することが禁止されているからね。

PSCマークがないということは、省令で定めた技術上の基準(法第3条)に適合していない可能性もあるということか。

インターネットの記事を読むと、「PSCマークは製造・販売を規制しているもので、使用は規制されず問題ない。」「PSCマークより厳しい規格をクリアした製品なら大丈夫。」というのを目にすることがあるわ。あとで説明するけど、たしかにSNELL規格などPSCより厳しい規格もあるわね。
わたしはSNELL規格のヘルメットで警察に捕まったという話しは聞いたことがないわ。でも法律が心配ならPSCマーク付きを選べばまず間違いないわね。

わかりました。
- 乗車用ヘルメットは道路交通法第71条でかぶることが義務付けられている
- 乗車用ヘルメットの基準は内閣府令で定められている
- 乗車用ヘルメットは消費生活用製品安全法の特定製品で基準を満たしてればPSCマークが付く
SGマークについて

ヘルメットについているマークでPSCマークとならんでSGマークというのもよく目にします。
このSGマークとは何でしょうか?

SGマークはSafe Goodsの略で(財)製品安全協会が定めたマークね。民間の自主的な製品安全の取り組みと、消費生活用製品によって生じた損害のてん補(※)を円滑に行うことを目的としているわ。(財)製品安全協会のwebページを引用するわね。
※てん補とは足りない分を補って埋め合わせることで、保険の場合は、事故によって生じた損害に対して、保険会社が保険金を支払う意味でつかわれます。
「SGマーク」の付いた製品は、SG基準に適合している安全性が高い製品であり、信頼性の高い第三者認証により安心して使用できる製品であると言えます。また、万が一、SGマーク付き製品の欠陥により人身事故が発生したときは、円滑な賠償措置が講じられる製品の証でもあります。
引用:一般財団法人 製品安全協会 SGマーク制度について| https://www.sg-mark.org/aboutsgmark

へぇ。安全性が高くて場合によっては賠償があるのかぁ。
どれくらいの賠償があるのかな?

最高1億円よ。
〈SGマーク被害者救済制度〉
当協会は、SGマーク付き製品の欠陥により、人身損害が生じた場合に備えて、損害保険会社と生産物賠償責任保険契約を結んでいます。
SGマーク付き製品の欠陥により、人身損害が生じたと認められる場合、事故原因、被害の程度などに応じて、賠償措置を実施します。
被害者1人当たりの賠償額の最高限度額は、1億円です。
引用:一般財団法人 製品安全協会 SGマーク付き製品で事故が起きた・・・ | https://www.sg-mark.org/accidentwithsg

SGマーク付ヘルメットは原付用(125㏄以下用)があるから注意して。原付用は「0.125リットル」「125㏄」や「原動機付自転車用」「原付用」と記載されてるわ。

原付用で400㏄など原付以外の大きなバイクを運転してなにかあっても賠償されないのかな?

その可能性が高いわね。だからSGマークの排気量は確認して使用すること。
それから、SGマークには有効期限もあって、ヘルメットの場合は購入日より3年間よ。改造なんかもしてはダメよ。

わかりました!
- SGマークは民間の自主的な製品安全の取り組みと、消費生活用製品によって生じた損害のてん補を円滑に行うことを目的としている
- 状況に応じて被害者1人あたり最高1億円の賠償がある
- SGマークは原付用(125㏄以下用)があるので注意
- SGマークの有効期限は、ヘリメットの場合は購入日より3年
SGマークのさらに詳しい内容は一般財団法人 製品安全協会のページをご確認ください。
ヘルメットに関するその他の規格やマーク
国内で販売されているヘルメットについては、PSCマークとSGマークがあれば全く問題ありませんが、その他にもヘルメットに関する規格はあります。
ご紹介しておきます。
JIS規格

日本産業規格(Japanese Industrial Standards)のことです。
経済産業省による説明を見てみましょう。
JIS(Japanese Industrial Standards)は、製品、データ、サービスなどの種類や品質、それらを確認する試験方法又は評価方法や、要求される規格値などを定めており、例えば、生産者、サービスの提供者、使用者・消費者などが安心して品質が良い製品を入手したり、サービスの提供を受けることができるために用いられています。
経済産業省では、技術の進歩や、社会的環境の変化等、必要に応じて、JISを制定・改正しています。
引用:経済産業省 2.JIS(日本産業規格)とは | https://www.meti.go.jp/press/2019/01/20200120001/20200120001.html
要するにお国(日本)がきめた品質や性能があることを示します。
JIS規格のほうがPSCの基準より厳しい規格と言われてますが、2017年4月のPSC安全基準改正によりPSCもJIS相当まで基準が引き上げられています。
ちなみに、輸入品の乗車用ヘルメットだとJISはないけど検査を通ってPSCマークは付いてるということがあり得ます。
SNELL規格
SNELL規格はスネル記念財団(Snell Memorial Foundation)が定める規格です。
レーサーだったピート・スネル氏がレース事故を起こし死亡したことがきっかけで誕生しました。
スネル氏は事故のときかぶっていた保護帽が割れたことで死亡したと言われてます。
世界で最も厳しい規格のひとつとされ、各ヘルメットメーカーもSNELL規格合格を目指しています。
MFJ公認マーク
MFJ公認マークは一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(Motorcycle Federation of Japan)が定める競技用ヘルメットの規定を通ったヘルメットに付けられます。
このマークが無いとMFJ公認のレースに出場できません。
- JIS規格はお国(日本)がきめた品質や性能があることを示す
- SNELL規格は世界で最も厳しい規格のひとつとされる
- MFJ公認マークが無いとMFJ公認のレースに出場できない
PSCマークとSGマークが付いてるヘルメット
PSCマークとSGマークの両方が付いてるヘルメットをいくつか紹介します。
原付用ヘルメット(SGマーク排気量125㏄以下用)
SGマークが125㏄以下の原付用です。
シールド付きで運転しやすそうです。
ジェットヘルメット(SGマーク排気量無制限)
ジェットヘルメットはバイクを選ばずどんなスタイルにも合わせやすいです。
フルフェイスヘルメット(SGマーク排気量無制限)
ゴーグル付きのおしゃれなフルフェイスです。
まとめ
ヘルメットはPSCマークとSGマークがあればひとまず安心です。
規格を理解して安全・安心なヘルメットを選んでセーフティードライブを目指しましょう。

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最後に宣伝かい!

ふふ(笑)
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