
エンジンオイル交換するけど10W-40とかJASO MA?合成油や鉱物油?よく意味がわからないな。
エンジンオイル交換するけど、オイル缶に書いてある10W-40とかJASO MAとか意味よくわからないですよね。
この記事ではエンジンオイルの缶に書いてある項目の意味が分かります。
わたしは自分のバイクのエンジンオイルは自分で交換しているので、オイル缶に書いてある項目の意味を知りたくて調べました。
記事を読み終えるとエンジンオイル選びが楽しくなりますよ。
エンジンオイルは何のために入れるのか

エンジンオイルはエンジンの潤滑・密封・冷却・洗浄・防錆のために入れます。
1つずつ整理します。
潤滑
エンジンは金属同士がこすれ合いながら動いています。ここにエンジンオイルを入れることで、なめらかに動くようになります。
密封
特にピストンとシリンダー部分に言えることです。ピストンとシリンダーにはわずかですが隙間があります。エンジンオイルはこのわずかな隙間を埋めて気密性を高めています。もし気密が保てないとパワーロスにつながります。
走行距離が増えてシリンダーとピストンの隙間が大きくなったエンジンは、エンジンオイルの粘度を上げて(硬くして)パワーロスを回避することもあります。
冷却
エンジンは高温になります。エンジンオイルは発熱したエンジンの冷却をします。
洗浄
エンジンは金属がこすれ合うことや、ガソリンを燃焼することで汚れます。この汚れをエンジンオイルが吸着して落とします。
防錆
エンジンは金属で出来てます。エンジンオイルがエンジン内部に油膜をつくることでエンジンを錆から守ります。
エンジンオイルが無いとどうなるか(体験談)

わたしは50㏄のスクーター(2サイクルエンジン)にのっているとき、突然エンジンが白煙を上げたことがあります。
この時はエンジンにオイルを送るホースが外れたことが原因でした。
要するにエンジンにオイルが無い状態で走ったわけです。
ホースがどのタイミングで外れたか確認できないので、どれくらいの時間そのような状態になっていたかは不明です。
ただ症状(エンジンから白煙)はなんの前触れもなく突然おこりました。
たまたま、片側一車線の道だったので良かったですが、あれがもし3車線くらいある国道の内側を走っているときだと思うとゾッとします。
エンジンは再起不能になる直前で停止させたので、バイク屋さんで新しくホースを交換してもらい事なきを得ました。
このときバイク屋さんに言われたことが忘れられない。
「うーん。すごく短いホースを無理やり取り付けられてたね。これじゃ引っ張られて外れてもおかしくないよ。」
中古のバイクだったのですが、買ったところの中古バイク屋さん。。。。
エンジンオイルはメーカー”推奨”オイルがある
わたしのバイクはKawasakiエストレヤRSです。
バイクの取り扱い説明書をみる『推奨オイル』が記載されてます。
あくまで”推奨”ですから、この通りでなくてもいいわけですが参考に記載しておきます。
当然かもしれませんが、いずれもカワサキ純正4サイクルオイルです。
- R4 SJ 10W-40 JASO MA
- S4 SG 10W-40 JASO MA
- T4 SF 10W-40 JASO MA
Kawasakiのバイクであれば、取扱説明書はKawasakiアフターサービストップから取扱説明書へ進んで見ることができます。
エンジンオイルの性能を決める項目の意味(缶に書かれている項目の意味)

写真はCastrol(カストロール)というメーカーのActivという名前のエンジンオイル缶の裏面です。
品名、規格(性能レベル・粘度)、タイプ、適用について書かれてます。
1つずつ詳しく見ていきます。
品名
品名は『Activ 4T 10W-40』です。
Activはまさに商品名で、つづく4Tは4サイクルエンジン用であることをしめしてます。
10W-40はオイルの粘度を示してます。
エンジンオイルを選ぶときに4サイクルエンジン用であることと粘度は大切な項目になります。
ですからわかりやすいように品名にもこの項目を書いてあるようです。
詳しくは後述します。
規格(性能レベル)
エンジンオイルにはJASO( Japanese Automobile Standards Organization )という規格があります。
日本語では日本自動車技術会規格と言い、これによりエンジンオイルの摩擦特性が表示されています。
エンジンオイルの摩擦特性とはオイルの滑りやすさ(滑りにくさ)のことです。
これはエンジンオイルの特性を示しているだけで、優劣があるわけではなく、エンジンにあわせて選ぶ必要があります。
摩擦特性によりグレードはMA、MA1、MA2、MBに分かれます。
グレード | 摩擦特性 | 粘度 | 用途 |
MA | 滑りにくい | – | クラッチが滑らないよう、マニュアルのバイクによく使われる |
MA1 | MA範囲内で低め | ||
MA2 | MA範囲内で高め | ||
MB | 滑りやすい | – | スクーターによく使われる |
バイクのエンジンはミッションやクラッチも同じエンジンオイルで潤滑します。
このため、オイルが滑りやすいとクラッチ滑りを起こしてバイクが走りません。
そこで、エンジンオイルに滑りにくさが求められるわけです。
MAグレードが滑りにくいエンジンオイルでマニュアルのバイクに使われます。
一方MBグレードのエンジンオイルは滑りやすいオイルです。
これはクラッチがないスクーターによく使われます。
もしスクーターにMAグレード(滑りにくいオイル)を使うと、オイルの抵抗が増えて燃費が悪くなることがあります。
規格(粘度)
エンジンオイルの粘度は『10W-40』や『15W-50』と表記されます。
これはSAE粘度規格と呼ばれ、米国自動車協会(Society of Automotive Engineers, Inc.) によって制定されたもので、いまでは世界共通の規格になってます。
数字の前半部分のWはwinterの頭文字でどこまで低温で使用できるかを表してます。
この数字が小さいほど低温でもオイルが硬くなりすぎないということです。
なぜこのような表記が必要かというと、エンジンが停止するとエンジンオイルは冷えて硬くなります。
硬くなったエンジンオイルでは、いざエンジンを再始動しようとしても、エンジン内にオイルが行きわたらずエンジンが始動できないトラブルが発生します。
これを防ぐため、エンジンオイルは冷えてもサラサラで硬くなりすぎない必要があり、このような表記がされるのです。
対応する外気温の目安は表のようになってます。
粘度(低温) | 0W | 5W | 10W | 15W | 20W | 25W |
外気温(℃) | -35 | -30 | -25 | -20 | -15 | -10 |
エンジンオイルの粘度は『10W-40』や『15W-50』と表記されましたが、後半の数字についてです。
後半の数字は高温(油温100℃)でのオイル粘度を表し、数字が大きいほど高温でもオイルに硬さがありサラサラになり過ぎないということです。
なぜ高温時のオイル粘度表記が必要かというと、エンジンオイルは高温になるとサラサラになります。
サラサラのエンジンオイルでは油切れを起こし金属の摩耗がすすんでエンジンの故障につながります。
またピストンとシリンダーの隙間を密封することができず、エンジンパワーの低下にもつながります。
これを防ぐため、エンジンオイルは高温でもサラサラになり過ぎずある程度の硬さが必要で、高温時のオイル粘度表記がされているのです。
ただし、粘度が高すぎるとエンジンへは抵抗となり燃費に悪影響をあたえるので注意が必要です。
油温100℃での粘度(動粘度)をオイル粘度表記別にみてみます。
高温粘度表記 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 |
動粘度(㎟/s) | 6.9~9.3 | 9.3~12.5 | 12.5~16.3 | 16.3~21.9 | 21.9~26.1 |
数字が大きいほど粘度があるオイルであることが分かります。
タイプ(ベースオイル)
オイル缶の項目にはタイプとありますがこれはベースオイルのことです。
ベースオイルは3種類『鉱物油』『化学合成油』『部分合成油』があります。
ベースオイルはエンジンオイルの性能や価格に大きな影響を与えます。
一般的に性能・価格ともに優れる順番は化学合成油、部分合成油、鉱物油といわれます。
では金銭的に許せば、化学合成油を選べばいいかというとそうではありません。
旧車など古いバイクの場合、化学合成油の使用を想定していないことがあります。
この場合、部分合成油や鉱物油を使用するほうがいいことがあります。
それでは1つずつ見てみます。
鉱物油
原油を精製して作られるもっとも基本的なオイルで価格も比較的やすいです。
分子の大きさや形にバラツキがあるため、性能的には部分合成油、化学合成油に劣りますが、普通に走り、定期的にオイル交換するのであれば使用に問題はありません。
先にのべたように、旧車に用いられることがあります。
化学合成油
原油を精製してオイルを作るときに、できるだけ不純物を取り除いたオイルです。
分子の大きさや形も鉱物油にくらべ整っているため、性能面も優れています。
3つのベースオイルの中で性能的には最上級でお値段的にも最上級です。
部分合成油
鉱物油のコストパフォーマンスと化学合成油の優れた性能の両方を得ようとしたオイルです。
部分合成油の名前からもなんとなくわかる通り、鉱物油と化学合成油を配合しています。
わたしは通勤にバイクを使用し、長距離ツーリングも行います。
使用オイルは部分合成油ですが、エンジンの調子は良好でおすすめです。
適用(4サイクル2輪車用エンジンオイル)
『4サイクル2輪車用エンジンオイル』と書かれてます。
単に『2輪車用エンジンオイル』ではないことに注目してください。
エンジンにはその種類により4サイクルエンジンと2サイクルエンジンがあります。
詳しくは割愛しますが、あたなのバイクがエンジンオイルを定期的に全部ぬいて、新しいエンジンオイルと入れ替えているなら、それは4サイクルエンジンです。
入れ替えることなく、エンジンオイルをつぎ足しているならそれは2サイクルエンジンです。
エンジンオイルはこのエンジンの種類により、『2サイクル用エンジンオイル』と『4サイクル用エンジンオイル』があります。
まちがって使用するとエンジンの故障につながるので、単に『2輪車用エンジンオイル』ではなく『”4サイクル”2輪車用エンジンオイル』と書かれています。
エンジンオイルを選ぶときは、あなたのエンジンが2サイクルか4サイクルか確認して選んでください。
メーカー推奨オイルと違う粘度のオイルを使うことについて

注)この項目は裏どりしてませんし、実際に体験した話しでもありません。オイルの粘度はメーカー推奨を選んでください。
目的によって、メーカー推奨オイルと違う粘度のオイルを使うこともあるようです。
オイルの粘度を下げる(サラサラのオイルを使う)と、オイルの抵抗も少なくなり燃費が向上します。
しかし、油膜も薄くなる傾向にあり、エンジンへのダメージが蓄積しやすくなる副作用があります。
短期的には問題ありませんが、長期的にみるとエンジンが故障する原因になる可能性があります。
よって、メーカー推奨のオイル粘度を下げる(サラサラのオイルを使う)ことはあまりしないほうが良いようです。
一方、オイル粘度を上げることについては、オイルの抵抗が増える分、燃費は低下しますが、油膜が厚くなる傾向にあり、エンジンへのダメージを減らせます。
また、 走行距離が増えてシリンダーとピストンの隙間が大きくなったエンジンの場合、エンジンオイルの粘度を上げることで、隙間を埋めることができ、パワーロスを回避し、逆に燃費が向上することもあるようです。
粘度を下げることはあまりしないほうがいいですが、粘度を上げることはチャレンジの価値がありそうです。
わたしはメーカー推奨のオイル粘度以外を使ったことがありませんが、チャレンジした際にはこのブログで報告したいと思います。
ちなみに2020/4/7現在、わたしのバイクの走行距離は50000km程度です。
4Lのエンジンオイル価格が1Lの4倍じゃなくて約2倍の謎
2020/4/7現在の話しです。
前から気になってたのですが、同じメーカーの同じエンジンオイルなのに、4Lエンジンオイルの価格が1Lの4倍じゃなくて約2倍のやつがあります。
なぜかわからないのですが、お買い得です。
1L缶です。
4L缶です。
私のバイクの場合、オイル交換1回で約2L消費するので4L缶ならオイル交換2回分になります。
お店にオイル交換をお願いすることを考えると、この4L缶は破格です。
まとめ
それではエンジンオイルについてまとめます。
- エンジンオイルの役目は潤滑・密封・冷却・洗浄・防錆
- エンジンオイルはメーカー”推奨”オイルがある
- JASO規格はエンジンオイルの摩耗特性を表す
- 10W-40などは粘度表示で、前半はどこまで低温で使用できるか、後半は油温100℃での粘度をあらわす
- ベースオイルは3つあり高性能・高価な順に化学合成油、部分合成油、鉱物油
- エンジンオイルは2サイクル用と4サイクル用がある
エンジンオイルの意味がわかるとエンジンオイルの交換もなんだか楽しくなります。
エンジンオイルの交換は比較的簡単ですし、オイルもインターネットで簡単に手にはいるのでこれを機にチャレンジしてはいかが?
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