
ホイールから異音がするし、ホイールベアリングを交換しようかな。
でもやり方が分からないなぁ。
ホイールベアリングの交換をしたいけどやり方が分からないし、一人で出来るかな?と悩んでませんか?
この記事では、フロントタイヤのホイールベアリング交換方法が分かります。
なぜならわたしも一人でホイールベアリングの交換を行ったからです。
この記事では、ホイールベアリングとは何で、交換時期はいつで、その交換の方法はどうするのか説明します。
記事を読み終えるとあなたも一人でホイールベアリングの交換ができるようになるかも!?
ちなみに、本記事のサンプル車種はKawasakiのエストレヤRSです。
(注)作業は参考に留めて、専門知識のある人の下で行って下さい。
ホイールベアリングとは


ホイールベアリングとは、ホイールの軸穴に埋め込まれているベアリングのことだぞ。
写真中央がホイールベアリングでその上のC字のリングはベアリングの外れ止めです。
ホイールベアリングの外径とホイールの軸穴はほとんどすき間がない設計になっていて、ベアリングはここに圧入されています。
そのベアリングとは軸受けのことで、機械の軸など回転するものがなめらかに動くために非常に重要なやくわりを果たしています。
バイクのホイールベアリングの場合、タイヤの軸を受けるわけですが、このベアリングのお陰でタイヤがスムーズに回転できるわけです。

構造の概要は、外径を決めるアウターレース(外輪)と内径を決めるインナーレース(内輪)それとあいだに入るボールで出来てます。
ボールがころがることで、摩擦を軽減してスムーズな回転を生みます。
ちなみにサンプル車種であるKawasakiエストレヤRSのホイールベアリングは下記のリンクです。
ホイールベアリングの交換時期

ホイールベアリングの交換時期は40000kmくらいでしょうか。
わたしは走行距離にくわえ、異音がしたので47000km交換となりました。
次のような場合は、ホイールベアリングの交換を検討してみてください。
作業前にホイールベアリングの組み込み状態を確認
作業に入る前に、ホイールベアリングがどのように組み込まれているか確認しておきましょう。

ホイールベアリングはホイールの左右に1つずつ、合計2個あります。
中心にはディスタンスカラー(筒状の棒)が入っていて、これによりベアリングの距離が保たれるようになってます。
このディスタンスカラーはディスクブレーキ側のくぼみにおさまりセンターがでるようになってます。
スピードメーター側にはスピードメーターのレシーバーがありその上に外れ止めがついてます。
ここで注意してほしいのは、スピードメーターギヤ側のベアリングとディスタンスカラーの間に隙間を作っていることです。
隙間なく組み込むとベアリングの動きが渋くなってしまいます。
こうなると燃費や走り、ベアリングの耐久性に悪影響がでます。
実際にベアリングを組み込むときは注意してください。
ちなみにこの隙間は、ディスタンスカラーがベアリングに触れるか触れないかくらいの微妙な感じです。

触れてるかな?でも指でディスタンスカラーを触る動かせるな。くらいがベストだ。
ホイールベアリングの交換方法
それではフロントホイールベアリングの交換方法説明します。説明はフロントホイールを外した状態からとなります。

ちょっとまって。フロントホイールの外し方が分からない。

大丈夫。フロントホイールの外し方は下の記事で説明してるぜ。
作業のおおきな流れはつぎのような感じです。
ホイールベアリング交換に必要な工具

必要な工具は現在とりまとめ中です。
しばらくお待ちください。<(_ _)>
ブレーキディスクを外す
ブレーキディスクを外していきます。

とくに難しいことはありません。
ボルト止めされているので、これを六角レンチで外してやればブレーキディスクを取り外せます。

六角レンチはよく使う工具だ。安物ではなく品質がいいものを選ぼう。
写真の場合、ボルトは5個です。

外した状態が上の写真です。
ボルトは無くさないように、マグネット付きのお皿に保管するといいです。
(左に少し写っているのがマグネット付きのお皿)
スピードメーターギヤ側のホイールベアリングを外す
それではスピードメーターギヤ側から作業します。
はじめは下の写真のような状態です。
外れ止めを取ります。

ベアリングの外れ止めはスナップリングプライヤー(このような外れ止めを取り付けたり外したりするための工具)を使って外しましょう。
ペンチなどでも外せますが、スナップリングプライヤーのほうが圧倒的に作業性がいいです。
外した状態がしたの写真です。
※写真は撮り忘れのため、ベアリング交換後のもの

金色のスピードメーターのレシーバーは手で取れます。
外れ止めとレシーバーが取れたら、いよいよベアリングを外します。
ベアリングを外すには、ベアリングプーラーと呼ばれる特殊工具を使うのが一般的なようです。
ベアリングプーラーを使わない方法としてネットの情報をみると、コンクリートアンカーを使ってはずす記事があります。
わたしも試しましたが、アンカーのサイズ選びがわるかったのかうまくいきませんでした。
そこで単純に反対側(ディスクブレーキ側)からマイナスドライバーでたたき出しました。
ディスタンスカラーは少し動くのでマイナスドライバーでベアリングのインナーレース部分をたたき出せます。

同じところばかりたたくとベアリングが斜めになり外れにくいので、全周まんべんなくたたき出しましょう。
たたき方や作業手順が悪いとホイールを痛めることがあるので注意しましょう。
その実例が下のリンクです。
ディスクブレーキ側のホイールベアリングを外す
こちら側にはオイルシールがはいっているのでまずこれを外します。
マイナスドライバーでこねてやると外れます。
外すとやはり先ほどと同じで、外れ止めがあるのでスナップリングプライヤーでこれを外します。
写真は参考に、スナップリングプライヤーでベアリングの外れ止めとはずしたところです。

こちら側はこのプライヤーがないと外すの結構たいへんです。
わたしは下記のスナップリングプライヤーで外しました。
あとは同じ要領でベアリングを叩き出します。

ディスタンスカラーがなくなったぶん、作業はしやすいと思います。
ディスクブレーキ側のホイールベアリングを圧入する
ディスクブレーキ側(ディスタンスカラーがおさまるくぼみがある方)からベアリングを圧入していきます。
圧入する前に、ベアリングが入るホイールの穴は、パーツクリーナーで十分に清掃しゴミなどが入らないようにしておきましょう。
下の写真は圧入途中のものです。

ネットの情報をみると、ソケットレンチをつかって圧入する方法が紹介されてますが、これだとインナーレースだけを押す(もしくはアウターレースだけを押す)格好になりインナーレースとアウターレースそれとボール、それぞれのセンターがずれる可能性があります。
センターがずれると、ベアリング本来の性能が発揮できなくなるのでおすすめしません。
ベアリングを圧入する専用工具の使用をおすすめします。
代用としてはベアリングの直径よりすこし小さい丸鋼を用意するといいです。
わたしは偶然ころがっていた工具の部品で代用しました。
ベアリングの直径35mmに対して代用品は34mmです。
これをベアリングの上にきれいにのせて、ハンマーでたたいて圧入します。

こちら側のベアリングは最後までしっかり圧入してください。
下の写真は代用品で圧入しているところです。
これをハンマーでたたいてベアリングを圧入します。

圧入が終わるとベアリングの外れ止めを取り付けます。

外れ止めを取り付けたら、オイルシールを取り付けます。
シールもベアリングを圧入した工具を使用して取り付けます。

シールの側面にはシリコングリスを塗るといいです。
シリコングリスは耐熱、耐寒、耐水性に優れているので、雨やゴミの侵入をふせいでくれます。
これで右側のホイールベアリングの圧入作業はおわりです。
スピードメーターギヤ側のホイールベアリングを圧入する
まず、ディスタンスカラーを入れます。

写真はディスタンスカラーが見えるように撮影してますが、真ん中にまっすぐいれてください。
カラーを入れたあとに、先ほどとおなじ要領でホイールベアリングを圧入します。
ここで注意すべきは、冒頭に説明したように、ベアリングは最後まで圧入しないことです。
ディスタンスカラーとベアリングが触れるか触れないか、かつカラーに指で触ると動くくらいのところまで圧入します。

圧入が終わると下の写真のような感じです。

このあと、スピードメーターのレシーバーをのせて、その上から外れ止めを取り付けます。

これでベアリングの圧入作業はおわりです。
ブレーキディスクを取り付ける
あとは、外していたブレーキディスクを取り付ければ完成です。
ボルトの締付は星の字を書くように、対角のボルトを順に締めましょう。
これが均等に締め付けるコツです。
まとめ
それではホイールベアリングの交換についてまとめます。
作業のポイントだけ記載します。
- ディスクブレーキを取り外す
- スピードメーターギヤ側の外れ止めとスピードメーターのレシーバーを外す⇒ベアリングを反対側からたたき出す
- ディスクブレーキ側のオイルシールと外れ止めを外す⇒ベアリングを反対側からたたき出
- ディスクブレーキ側のホイールベアリングを圧入する⇒外れ止め、オイルシールを取り付ける
- ディスタンスカラーを入れる
- スピードメーターギヤ側のベアリングを圧入する(圧入のポイントはディスタンスカラーとベアリングが触れるか触れないかくらいまでにすること)
- スピードメーターのレシーバー、ベアリングの外れ止めを取り付ける
- ディスクブレーキを取り付ける(ボルトには焼き付き防止グリスを塗る)
これで作業完了です。
バイク屋さんへ頼むと、工賃は1万円程度のようです。
やってみるとさほど難しい作業ではないので、あなたもトライしてみてください。
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